シゲルだけのものだった麻実子が、ある日突然、人気アイドルに。二人のかわいい恋を描いた表題作の『僕のエンジェル・ダスト』。学校と外、まったく違うふたつの顔を持つ長谷川くんと、そんな彼に興味を持つすみれと菊代。3人のコミカルでちょっぴり切ない友情を描いた『プリティ・ベイビー』。親友と好きな男の子の間で揺れる翠子の恋の行方を描いた『みどりの憂うつ』。いずれも中学生を主人公にした作品。この時代に中学生だった大人たちも、今現役の中学生も楽しめるはず。時代は変わっていても、根底は変わっていないのかもしれない。10代を考えさせてくれる1冊でもある。
僕のエンジェル・ダスト/桜沢エリカ/メディアファクトリー